Googleアナリティクスのデフォルト設定では、外部サイトへのリンクは計測できません。
計測するにはイベントトラッキングの設定が必要となりますが、Googleタグマネージャを使えばかんたんに設定ができます。
外部リンクを取得する
前回の投稿では、スマホ画面用に設置したボトムナビゲーション(画像)の効果を見るため、Googleタグマネージャを利用してイベントトラッキングの設定をしました。
イベントトラッキングとは
今回はひきつづき、外部へのリンクのクリックを設定します。
外部へのリンクのクリックは、ページの遷移をともなわない行動のため、Googleアナリティクスのデフォルトの設定のままでは計測ができません。
外部へのリンクのクリックは、たとえばブログの場合だと、
- ソーシャルボタン
- 記事に貼った参考サイトへのリンク
- アフィリエイト
- お問い合わせ(Googleフォーム)
などがあるかと思います。これらのボタンやリンクがどれだけ押されたか、Googleタグマネージャを使えばかんたんな設定で計測できるようになります。
イベントトラッキングの設定
Googleタグマネージャの初期設定についてはこちらを参考になさってください。
Googleタグマネージャの設置方法
ここからは、外部リンクのイベントトラッキングを設定します。[変数] → [トリガー] → [タグ] の順に設定していきます。
①変数の設定
まず変数を設定します。Googleタグマネージャにログイン後、下記の操作をおこなって下さい。
- 左のサイドメニューから[変数] をクリック
- [組み込み変数 > 設定] をクリック
- [組み込み変数の設定 > クリック] の、すべてにチェック
- [×] ボタンで閉じる
以上で変数の設定は終わりです。
②トリガーの設定
つぎにトリガーを設定します。下記の手順で進めてください。
- 左のサイドメニューから[トリガー] をクリック
- [トリガー > 新規] をクリック
- [トリガーの設定] の右上にある[] マークをクリック
- [トリガーのタイプを選択] から、[クリック > リンクのみ] を選択
- [タグの配信を待つ] にチェック ※[待ち時間の上限] は、デフォルトのままで大丈夫です。
すると、下記の画面になります。
トリガーの有効化条件にすべてのリンクを指定し、その下の発生条件で自サイト(ブログ)内の内部リンクを除外しています。つまり、「すべてのリンクURL-自サイトのURL=外部リンクURL」という考えかたです。
左上のトリガー名は、つぎのタグの設定時に選択しますので、任意のわかりやすい名前をつけてください。
すべての入力を終えたら、右上の[保存] を押してください。
③タグの設定
最後にタグを設定します。下記の手順で進めてください。
- 左のサイドメニューから[タグ] をクリック
- [タグ > 新規] をクリック
- [タグの設定] の右上にある[] マークをクリック
- [タグタイプを選択] から、[Google アナリティクス: ユニバーサル アナリティクス] を選択
すると、下記の画面になります。※タテに長いので、画像を三分割しています。
- 一番上は[タグ名] です。任意のわかりやすい名前をつけてください。
- [トラッキング タイプ] は[イベント] を選択してください。
- [カテゴリ] は任意でわかりやすい名前をつけてください。
- [アクション] は右にあるマークのアイコンをクリックし、[変数を選択] から「{{Click URL}}」を選択してください。
- [ラベル] は右にあるマークのアイコンをクリックし、[変数を選択] から「{{Click Text}}」と「{{Page URL}}」をつづけて選択し、あいだを「: 」(コロンと半角スペース)でつなげてください。*2
- [このタグでオーバーライド設定を有効にする] にチェックします。
- その下の[トラッキング ID] には、Googleアナリティクスのトラッキング ID*3を入力してください。
[値]、[非インタラクション ヒット]、[Google アナリティクス設定] はデフォルトのままでだいじょうぶです。
つづけて下に行き、このタグを配信するトリガー(さきほど設定したもの)を指定すれば、タグの設定は完了です。手順ですが、
- [トリガー] の右にある[] マークをクリック
- [トリガーの選択] から、さきほど保存したトリガー名を選択
- 一番右上の[保存] をクリック
これで、イベントトラッキングの設定が完了しました。
つづけて右上の[公開] を押してタグを公開すれば、イベントトラッキングが開始されます。
※今回は、すでにGoogleタグマネージャの設置が完了していれば、自サイト(ブログ)側の設定はありません。
プレビューモードでテスト
[公開] のとなりにある[プレビュー] をクリックすると、[プレビューモード] に入ります。
プレビューモードでトリガーの発火(fired)をテストして、タグが正常に稼働しているかを確認してみましょう。
プレビューモードに入った状態で、タグを設定した自サイト(ブログ)を閲覧すると、下記のような画面になります。これは、Googleタグマネージャにログインしているユーザーのブラウザ画面にのみ、表示されます。
発火(稼働)の確認方法
[Summary] の、
- [Tags Fired On This Page] のところにあるのが、現在のページで発火(稼働)しているタグで、
- [Tags Not Fired On This Page] が発火(稼働)していないタグです。
上の画像のように、外部へのリンクをクリックしたとき、さきほど設定した外部リンクへのタグ名が[Tags Not Fired On This Page] から[Tags Fired On This Page] へ移動すれば、タグが正常に稼働している状態です。
もし、正常な稼働が確認できないときは、トリガーの設定でおこなった条件指定などを見直してみてください。
取得データを閲覧
プレビューモードでのテストも終わり、タグの稼働が確認できました。つぎは、取得データを見てみましょう。
Googleアナリティクスの[リアルタイム > イベント] を開き、外部リンクへのボタンやテキストをクリックしてみてください。
それぞれ表示されるはずです。
[タグの設定 > アクション] で「{{Click URL}}」と指定したため、[イベント アクション] の欄にはクリックされたURL(外部リンクへのURL)が表示されています。
クリックの内訳を知るには
蓄積されたデータはGoogleアナリティクスの[行動 > イベント] から閲覧できます。
さらに[概要] の[上位イベント] からイベントラベルをクリックで選択すると、[イベント ラベル] の欄にテキストとページURLがつながって表示されます。※データが蓄積されている場合。
[タグの設定 > ラベル] で「{{Click Text}}: {{Page URL}}」と指定したため、[イベント ラベル] の欄に表示されるのはクリックされたリンクのテキスト: そのリンクが貼られているページのURLとなります。
その右にある[合計イベント数] がクリックされた回数にあたります。
自分のアクセスを除外する
アクセス解析の際、Googleアナリティクスで正しい数値を見るためには、自分自身のアクセスを除外する必要があります。
除外する方法はいくつかありますが、個人的にはプラグイン(拡張機能)を使う方法が、かんたんでおすすめです。
Googleアナリティクスの[管理 > すべてのフィルタ] からIPアドレスを指定する方法もありますが、WiFiなど、IPアドレスが変わってしまう環境の場合、そのたびに設定を追加・変更しなければならないので、手間がかかってめんどうです。
Google Analytics オプトアウト アドオン (by Google) - Chrome ウェブストア ※クローム以外にもIE、Firefoxなどほとんどのブラウザに対応しています。
オプトアウト アドオンなら、一度ブラウザにインストールするだけでそのブラウザからの接続を除外することができ、オンオフの切り替えもかんたんなので、イベントトラッキングの確認などテストの際にも便利です。
デメリットは、スマホには対応していないので、スマホも除外したい場合には、CookieやIPアドレスを利用した方法などを使う必要があります。
ローカルストレージを利用した方法
こちらの方法はまだ試していないのですが、最初に設定さえしてしまえばIPアドレスのように変更の手間がかからず、かつスマホでも使えるようです。
Googleアナリティクスで自分を除外する最善の方法はこれ!もう悩まない!
トラッキング コードを直接編集するのですが、手順通りにやればむずかしくはなさそうです。スマホも除外したいかたは、試してみてもよいかと思います。
まとめと感想
前回 、前々回の投稿であげた検証内容も、わたしのブログのすくない数字(なので、読んでいただいているかたには本当に感謝しています!!(*^_^*))なりに、ある程度データがたまったところでご報告できればと思います。
- 回遊率・直帰率の改善
- グローバルメニューの利用について
Webサイトの改善に、アクセス解析は大切だと思うのですが、イベントなどのこまかい設定に関しては、どちらかというとあまり皆、やりたがらないような気もします。
わたしのいた職場などではそうでした 笑。
ただ、ブログなど自分のサイトの数字はだれでも気になると思います。
イベントを設定することで、分析の幅が広がります。
Googleタグマネージャはそういった設定や管理の負担をやわらげてくれるので、興味を持たれたかたはぜひ、使ってみてください。
今日のオススメ
*1:ドメインとは、トップページのURLから「http://」を外したこの部分です。このブログだと「rubirubi.hateblo.jp」がドメインになります。
*2:ここで指定した要素は、Googleアナリティクスの[行動 > イベント > イベント ラベル] に表示されます。「: 」をあいだに入れることにより、Googleアナリティクスでデータを見る際、クリックされたリンクのテキスト(Click Text)とリンクが貼られたページ(Page URL)の区別がつきやすくなります。
*3:トラッキング IDは、Googleアナリティクスの[管理 > プロパティ > トラッキング情報 > トラッキングコード] から確認できます。「UA-」ではじまる UA-XXXXXXXXXX-X というコードです。